第6回「よこはま水素エネルギー協議会」セミナー

2016年4月22日(金)に横浜国立大学にて開催された当セミナーに参加したのですが、なかなかブログにアップする余裕が無く、ゴールデンウィークがすっかり明けてしまった後となりました。 

前回が昨年10月でしたので、半年ぶりのセミナーでした。今回は、セミナー後に初の試みとして情報交流会が開催され、これまで面識のなかった方達とお話ができるだろうと思い、参加してきました。セミナー及び情報交流会の様子を少し紹介したいと思います。 

主催者挨拶
よこはま水素エネルギー協議会理事長 太田健一郎氏
いつも通り太田先生のお話からスタートです。今日はどんな話があるのかと思っていたところ、大部分が「水素エネルギーナビ」(http://hydrogen-navi.jp/)というウェブサイトの紹介でした。NEDOの事業として株式会社テクノバがサイトの運営を行っています。 

このサイトを作るにあたり、太田先生が関わったという事です。インターネット検索で「水素」と入れると1番に検索結果が出てくるようなサイトにしたいそうです。今のところ「水素水」などが上位に出てくるようです。残念ながら私の事務所は全然出てきませんね。 

このサイトの「5分でわかる水素エネルギー」は、初めは「小学生でもわかる水素エネルギー」にしようとしたそうですが、現在の小学校では水の電気分解は勉強しないという事らしく、「5分で・・・」となったそうです。実際に見てみると、一から勉強したい人には分かりやすい説明かと思いますが、もし小学生にも分かるように説明するにはどうしたらいいかなと考えているところです。 

講演1「再生可能エネルギー技術の価値を考える」
横浜国立大学環境情報研究員 教授 本藤祐樹氏 
再生エネルギー導入に関して、既存のエネルギー源とのライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)による比較(特に温室効果ガスの排出量)の話から始まり、再エネ導入による経済効果の評価結果の説明へと続きました。 

この様なシミュレーションをどのように行うのかといつも疑問に思っていたのですが、セミナー後の情報交流会の席でお話をする機会がありましたので、いろいろとお聞きしてみました。基本的にはその様なソフトウェアがあるそうで、それに様々な変数を入れていくということです。 

世の中の工業製品について、様々な人が様々な立場でLCAの結果を公表していますが、それらが本当に妥当で合理的なのかどうか、一般の人には判断しかねると私はいつも思っていました。自分が出した結果の確からしさをどの様に判断するのかと本藤先生に伺ったところ、きちんと検証しているところでは、他の機関に検証を依頼し、異なる手法(どの程度どのように違うかは素人には分かりませんが)で評価してもらうのだそうです。費用は掛かりますが、非常に真摯なやり方だなと思いました。例えば水素エネルギー関連の事で言いますと、自動車メーカーがFCVのLCAを公表したりしていますが、きちんと外部機関に検証してもらっているところもあるという事でした。 

講演2「風力エネルギーと水素社会」
横浜国立大学大学院 グリーン水素研究センター産学官連携研究員 勝呂幸男氏 
再生可能エネルギーの一つである風力エネルギーについて、現状の紹介から始まり、風力-水素システムの話へと展開しました。日本では風力発電の導入には環境アセスメントに時間がかかることが多い様で、なかなか導入量が増えていかない現状もあるようです。 

再エネの中でも風力発電は、設置によって景観が損なわれることの無いように配慮する必要がありますが、景観問題で住民の反対が起きることも報道で目にしますので、なかなか難しい問題です。 

2年前に企業勤めを辞めた時、久しぶりに妻と英国へ行き、レンタカーで英国内を勝手気ままに1週間ほど旅行した時に気づいたのですが、私が2000~2001年に仕事で英国に住んでいた時よりも、明らかに風力発電の風車があちらこちらで増えていました。英国の友人に聞いてみると、景観の問題を口にしていました。どこも事情は同じの様です。 

リバプールへ行った時は、昔の事を思い出してマージ―川の対岸の小さな町(New Brighton)へ行って宿を探そうとしました。昔行った時と比べて様子が様変わりしており、海岸沿いには沖合に風車がずらっと並んでいたのには驚きました。 

話はそれますが、New Brightonで以前泊まった宿が見つからず(無くなったか?)、B&Bを探してもほとんどなしという状態でした。海岸沿いにできていた新しいホテルは満室で、仕方なくChesterという町まで移動することとなりました。怪我の功名でしょか、ここは中世の英国の雰囲気が残る素敵な町でした。 

風力発電は増えていくとは思いますが、狭い日本の国土で風量発電を増やしていくにはなかなか大変そうです。住宅地近くでは「低周波」問題も起きています。コストはかかるでしょうが、海洋上へ設置することも増えていくのでしょうか。 

横国大の太田先生も関わっていますが、風量が豊富な海外で発電し、水電解で作った水素を運ぶという方法が検討されています。いろいろと課題はありますが、少しでも前に進んでほしいと思います。 

講演3「水素社会に向けた東京ガスの取り組み」
東京ガス株式会社基盤技術部エネルギーシステム研究所 所長 藤田顕二郎氏 
東京ガスは、りん酸形燃料電池(PAFC)の時代から積極的に燃料電池の開発を進めてきており、私自身も当時から東京ガスのN氏には大変お世話になっておりました。 

この日の藤田氏のお話は、東京ガスにおけるこれまでの水素エネルギーに関する取り組みを振り返るには非常によい機会となりました。また講演内容以上に、情報交流会ではたくさんのお話(現在のN氏の事も含め)をお聞かせ頂き、大変有意義な楽しい時間を過ごせました。 

少し話がそれるのですが、数週間くらい前でしょうか、BS11で寺島実郎氏が出演している番組で、東京ガスの社長と寺島氏との対談の回がありました。東京ガスのこれまでを振り返りながら今後の方向性を議論するという内容でした。その中で、昔都内の各家庭のガス器具が都市ガス仕様に変わる時、社員がお客さんの全家庭を訪問してガス器具の調節をして回った話をされていました。それは本当に大変な作業だったようです。 

この話が頭の片隅にあり、藤田氏に「現在の都市ガスラインを水素ラインに変えることは技術的には可能なのか」という事をお聞きしてみました。ガスライン自体は使えるようですが、各家庭のガス器具の調整が必要になるので、大変な作業になるという事でした。上のTV番組の話を伝えると、当時も本当に大変だったと思いますという事でした。 

会場から横浜駅に戻る時のバスでも一緒になり、公私にわたってたくさんのお話をさせて頂き、本当にありがとうございました。 

情報交流会では、横国大の太田先生や光島先生、その他多くの方とお話しすることができ、大変有意義でした。また、いつもセミナーの準備をされている事務局の皆さんともお話ができました。いつもご準備ありがとうございます。また次回も参加させて頂きます。

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