水素・燃料電池関連市場参入セミナー@静岡

11月28日(水)に静岡市にて行われた表題セミナーに参加してきました。このセミナーは、経済産業省関東経済産業局が2016年に「広域関東圏水素・燃料電池連携体」を立ち上げて以来、関東圏の各県が関東経産局および一般財団法人日本立地センターと共に開催してきた行事です。詳しくは関東経産局のウェブサイトにあります。
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/suiso/index.html

このセミナーの最大の目的は、水素・燃料電池関連分野に多くの企業が新たに参入することを促進することです。関東経産局がこれまでに開催してきたセミナーの多くは、その後にビジネスマッチング会が設定されています。私が開発アドバイザーを務めている神奈川県エネルギー課でも、同様のセミナー&マッチング会をこれまでに行っており、私もお手伝いをしています。

セミナーでは水素・燃料電池関連のビジネスを進めている企業が講演を行い、その中で技術的なニーズの説明があります。講演後にはビジネスマッチング会が設定されており、様々な技術シーズを持つ企業が、燃料電池システムの製造や水素ステーション建設に関わっている企業と面談をするという流れです(面談は事前予約制です)。

今回のセミナーでは、家庭用燃料電池「エネファーム」のメーカー2社(アイシン精機とパナソニック)の講演があり、現状のエネファームの更なる高耐久化・低コスト化を図るための技術ニーズを紹介していました。これらは普段なかなか聞くことが出来ませんので、非常に貴重な機会という事で私も参加してきました。

アイシン精機は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を使ったエネファームType-Sを製造・販売しています。講演では以下の様な補機・配管類に関する技術ニーズを紹介していました。
 ・筐体パネル
 ・金属製配管部材
 ・電気伝導時計
 ・ポンプ
SOFCは高温で運転されることから、上記金属製配管部材については高温に曝される場所の部材に技術ニーズがあります。当然耐久性が要求されますが、耐久性試験等については打ち合わせの上、技術がマッチングしそうな場合は試験条件を開示して頂けるという事です。

2つ目の講演のパナソニックは、低温で作動する固体高分子形燃料電池(PEFC)を使ったエネファームに関する技術ニーズの説明がありました。
 ・電磁弁
 ・ポンプ類
 ・フィルター
 ・純水精製装置
 ・樹脂製および金属製配管部材
 ・オリフィス加工
2009年にエネファームが一般販売されてからもうすぐ10年になりますが、まだまだ高耐久化・低コスト化が必要で、上記部材について今も高性能で低コストな部材を探し求めているようです。

どんな仕様の部材が要求されているのか知りたい、こんな技術や部材が使えないか、等ありましたらいつでもご連絡下さい。状況に応じてエネファーム担当窓口に紹介したりなどいたします。

以前、神奈川県で行ったセミナーに参加した県内の某企業から、このような部材が燃料電池関連で使えないかという相談がありました。県アドバイザーとして私が関わった案件ですが、最終的に某燃料電池関連企業に製品が採用されたという事です。私にとってはあまりなじみの無い部材でしたが、いろいろ調べていると、ここに使っているはずだということがわかり、上手く技術マッチングが進んでいきました(事情により、具体的なことを書けないのが残念です)。

今後大きなビジネスとなっていく水素・燃料電池分野に、もっと多くの企業に新規参入してほしいです。そこに私が少しでもお役立ちできたらうれしいですね。

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